経験の知恵も大切だ

現状を正確に判断し、将来の見通しをガッチリと立て、自分のスタミナを適正に配分することが大事だ。そのために学問も必要だろうし、豊かな見識もいるだろう。経験の知恵も大切だ。勇気も、決断力も、実行力も、そして忍耐力もなくてはなるまい。これらに目を向けず、むやみと先を急ぐことは「若さ」でもなければ、未来に生きる姿勢でもないと思う。歴史は、現代を支え、未来を組み立てる。歴史を否定して、現在は理解できないのだ。未来の方向に正しく向くには、歴史を背景に持たなければならない。たとえていえば、こういうことである。若い人は知らないだろうが、終戦直後、いろんな型の自転車が氾らんした時代があった。奇抜なアイデアやデザインを売りものにして、私達を驚かせた。しかし、それは長くは続かなかった。そして再び以前の古い型に戻ってしまった。なぜこういうことになったかといえば、自転車というものはすでに遠い昔に、すべての意味で完成されていたのだ。三角の車体フレームは、理論的にも経済的にも最高に合理化された結論なのである。二輪を人力で運転するなら、もうこれ以上のものは考えられない構造であり、スタイルだったのだ。これは自転車の歴史を見れば、簡単に理解できることである。それを無視したからいけなかった。人生には、こんな例は数限りなくある。少しばかりの努力と時間を惜しんで、バカげた無駄骨を折るのは愚である。短気で先走りの私が、歴史を勉強するのが好きなのは、まんざら「立川文庫」愛読の延長ばかりでなくこんな理由もあるのだ。たしかに歴史は多くを教えてくれる。反省の材料も与えてくれる。適切な助言もしてくれる。人生は本当に長い。スタートを間違ったら、先行き誤差の拡がりは大変なものになる。スタミナの配分がでたらめだったら、折角のハイ・オクタンの「若さ」というエネルギーも、爆発して破壊力に堕落するし、エン・ストの原因ともなってしまう。←こちらのサイトでいろいろな情報を見られます。


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